三十三間堂は京都東山に位置する妙法院というお寺の中のお堂で、南北に延びる横に長~いお堂で柱の間が33あることから三十三間堂と名付けられました。
この三十三間堂には沢山の仏像が安置されていて、特に仏師の主な流派である”院派・円派・慶派”の仏師の作が一堂に会するという全国でも非常に珍しいお堂となっています。
今回はその三十三間堂を彩る各派の歴史をたどりながら『仏師の系譜』という角度からガイドさせていただきました〇
先ずは事前に予習をしていこうということで日本における仏像の起源からお堂に安置されている仏像の作者まで歴史的背景をふまえながら詳しく解説させていただきました。
お堂に向かう道中東山の正面通りという道を通ります。
そこはかつてこの付近にあった木造の大仏を正面に向かって続く道であったことからこの名がつけられました。
改めて京都の歴史の奥深さを感じます。
いよいよ三十三間堂に到着◎
予習した仏師の系譜を思い浮かべながら拝観しました。
実際に中に入ると改めて仏像の多さに圧倒されます。
この御堂が当時いかに国家的規模で建てられたのかがよくわかります。
この圧倒的数の仏像を造仏するには主な仏師集団であった各派が手を取り合って造仏に臨まなければなりませんでした。そうしてこういった全国的にも非常に珍しいお堂になったのですね。。。
日本書紀に『海に浮かんでいたクスノキの使って二体仏像を造らせた』と記されています。
これは我が国における仏像制作の最も古い記録とされています。
そこから長い年月を経てこのお堂が建てられ今に至ります。
その長い仏像彫刻の歴史の中には皆さんよくご存じの運慶・快慶などの天才仏師も現れます。
今回はそういった仏師の歴史をたどり、『仏師の系譜』という角度からガイドさせていただきました。
この試みは仏像鑑賞をするにあたってまた新たな見方になったかと思います。
私も仏師という立場から次の世代にもしっかりとした技術を継承していき、これからもこの脈々と続く仏師の系譜を形作っていきたいと思います。
仏師 宮本我休 合掌