今回、徳川家康公の次男・結城秀康公とその結城秀康公の長男・松平忠直公の御位牌の修復と、そして同じ形で結城秀康の次男・松平 忠昌公の御位牌を新たに製作させていただきました〇
江戸時代の作と思われますが、しっかりとした造りで所々欠けや金箔の傷みがありますが状態は比較的良いほうでした。
お湯につけ細かいところは彫刻刀で隅々まで塗装を剥がしていきます。
この御位牌は堅地(との粉を漆で練ったもの)で塗装されていたため 剥がすのにとても苦労しました…。
堅地は修復は大変ですが耐久性が高く、彫りに冴えが出るのでとても良質な下地といえます。
今では扱いが簡単な化学塗料で下地することも多くなりましたが、こういった古来の技法もしっかりと受け継いでいきたいですね。
洗い作業が終わりました〇
右端に写っている紙は位牌のパーツに仕込まれていたもので、しっかりと解読はできませんがおそらくこの御位牌の作者を表すものかと思われます。
そこから半年保ほど乾燥させ、組み上げた状態です。
欠損部分は補修し、場所によっては鉋をかけ直し形を整えていきます。
こちらは新たに製作した御位牌。
修復の位牌とまったく同じように制作しました。
こういった技術の高い彫りを摸刻するのはとても勉強になります〇
字が書かれた紙も元のパーツに納め直します。
漆塗り、金箔押し、文字彫り工程を経て完成です◎
徳川家を支えた名君の御位牌、とても光栄で学び多いお仕事になりました。
また後に修復される際、その時の職人に感心されるような修復を心がけていきたいです。
【宮本工藝 位牌彫刻・修復】http://gakyu.jp/ihai_sculpture
仏師 宮本我休 合掌