如意(にょい)とは元々孫の手の様に背中を掻く道具で、それを僧侶の方が読経や説法の際などに用いるようになった仏具のことです。
今回その如意をオリジナルで制作いたしました〇
テーマは”蓮”。
タイトルの《拈華微笑・ねんげみしょう》とはお釈迦さまが霊鷲山で会衆を前に蓮華を無言でひねったのに,その弟子迦葉 (かしょう) だけが微笑して応じたことをいいます。お釈迦さまの心中にある仏教の真理が無言のうちに伝授されたことをいうもので,特に禅宗で尊ばれる言葉です。
そんな拈華微笑という言葉に惹かれ、いつしかこの言葉をテーマに仏具を制作してみたいと思っていました。
今回の制作で特に難しかったのは強度を高めること。
これはあくまで仏具という道具ですので美術品ならともかく使用に耐えうる強度が必要になります。
いろいろと工夫し、振り回しても壊れないくらい頑丈に作っています〇
でも実際に振り回してほしくはないですが…。(笑)
どんどん使い込んで味を出していってほしいですね。
使用した材は栃の木。木質は堅く彫るのに苦労しましたが、仕上げると独特の艶や光沢が出てとても美しい木です〇
蓮根!
蓮の葉の中にまた葉や花、実やつぼみがあり、無限の世界観、混沌とした美しさを追求しました。
柄の部分は一木造り(一本の木から彫りだす技法)です。とても根気のいる作業です。
目立ちませんがカエルもいます(笑)
思い起こせばこの一枚のラフ画から生まれました。
自分の浅はかな見識でいうのは憚られますが現代の仏具は少し既成概念に囚われすぎているように思います。
確かに伝統的な形にこだわることも大事ですが、正倉院の宝物を見てもどれも個性的なものばかり。
現代の発想で他にない唯一無二の仏具に挑戦する、これからもこの姿勢を貫いていきたいと思います。
最後に、こちらの仏具はお寺さんが息子さんの結婚式で最初にお披露目されるそうです。
そんな晴れの舞台で花を添える存在になってくれることを願いつつ、また新たな制作に取り組んでいきたいと思います〇
: 【材】 栃 【長さ】一尺八寸
仏師 宮本我休 合掌
【宮本工藝・創作仏具】http://gakyu.jp/works_category/other
これはあくまで仏具という道具ですので美術品ならともかく使用に耐えうる強度が必要になります。
いろいろと工夫し、振り回しても壊れないくらい頑丈に作っています〇
でも実際に振り回してほしくはないですが…。(笑)
どんどん使い込んで味を出していってほしいですね。