今回のご依頼は兵庫県は出石にあります宗鏡寺にてお祀りされている毘沙門天様の荘厳具を制作するというものです。
長らくお寺にお祀りされていましたが、御厨子などはなく仏身そのままでご安置されていたところ、施主様がそれでは不憫だということで何か仏様を荘厳するものができないかとご相談を受けました。
よく拝まれてきたのでしょう、煤をまとわれ黒褐色のお姿でしたので、御厨子などで暗く囲ってしまうよりも花御堂のように四本の柱に屋根を据えた吹き抜けの状態でご荘厳したほうが良いのではないかと思いお造りさせていただくことになりました〇
ただ仏身をお預かりした時、とても損傷が激しく今にも崩れてきそうな状態でしたので、今回のご依頼にはありませんでしたが御身の修復もさせていただきました。
台座共に結合部分がかなり緩んでいたので、一旦分解し、再度接合し直していきます。
台座と仏身をつなぐ接合部も調整し、しっかりとした立ち姿に戻られました〇
いよいよオリジナル荘厳具の制作開始です〇
先ずは屋根部分から製作していきます。
通常この大きさになると集成材などをつなぎ合わせ作っていくことが一般的ですが、永くお祀りいただきたいので無垢の木材を彫り出し成形していくことにしました。
これから屋根部分を仕上げ、柱、飾り彫りの制作に入っていきます〇
京仏師 宮本我休
【宮本工藝創作仏具】http://gakyu.jp/works_category/other