原型が完成し、彫刻の準備にかかります。
どのように寄木していくか木の目を読みながら使用する木曽桧を選定します。
それぞれの部材を組み合わせてブロック状に。
これからいよいよ彫刻に入ります。
先ずは狛犬像の彫刻から。
第一刀目です。
大方形が出て、細部の彫刻に入っていきます。
吽形である狛犬は縄張りに不審者が入ってこないよう注意を払う雄ライオンのように強く気高い雰囲気を纏わせます。
良い御姿が出てきました。
狛犬像の彫刻はこのあたりで一旦止めて、これから獅子像の彫刻に入ります。
大きな鑿を揮って木塊から御姿を彫りだします。
獅子像も大方形が出てきました。
獅子は阿形。
咆哮し鋭い眼光で諸悪をひれ伏せます。
これまでイメージ通り、私の理想とする獅子狛像の御姿が出てきています。
ここから筋肉や皮膚、毛の表現を追求していきます。
古来神仏彫刻はリアルな描写を伴いながら想像の産物である誇張表現を加え、独自の造形を表してきました。
具象と誇張、その塩梅が神像の出来を左右させます。
千年残り続ける神像、挑戦は続きます。