昨年より取り組んでおりました下鴨神社様の獅子・狛犬像の彫刻が完成しました。
鋭い眼光の中にも慈悲心を表現し、唯一無二の御姿に彫り現すことができたと思っています。
特にこだわったのはしなやかな筋肉の隆起。
単調にならないよう仕上げた細かな起伏はすべて意図して彫り現したものです。
漆塗りの工程ではこのわずかな起伏を拾ってもらいながら、忠実に表面を仕上げていただきます。
専門職「塗師」の腕の見せ所、期待を込めて託します。
目にはこれから玉眼を仕込みます。
水晶で輝く眼光、楽しみです。
この獅子狛犬像は下鴨神社に新造される祈祷殿に安置されます。
7月の竣工に向け完成を目指します。
令和六年もこの獅子狛像を始め、大仕事が続きます。
プレッシャーを楽しみながら、後世に残る尊像を造り続けていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
京仏師 宮本我休 合掌