浄土真宗大谷派永福寺様よりご依頼いただき、前机、導師机、三具足を欅の良材を用いて木彫でお造りさせていただきました。
私の知る限りでは、浄土真宗を代表する仏具一式を全て木彫で制作するという前例はないと思いますが、いつか実現してみたいと以前から構想を練っていました。
この度ご快諾いただき、唯一無二の仏具を具現化することができました。
もちろん金工や漆箔で仕上げる仏具も素晴らしいですが、この木彫で揃えたものも独自の趣があります。
経年によって味わいが増していくのも木彫の良さでもあります。
前机です。
巾100㎝と前机としては小ぶりになりますが、細部まで精巧に彫り尽くしましたので写真では大きく見えるかもしれません。
仏像の光背などに使う唐草の透かし彫りをふんだんに配しています。
金具は通常金鍍金を施しますが、今回は欅の木肌に合うよう、銅そのものの色味を生かして素地仕上げとしました。
これもオリジナルの意匠となります。
導師机です。
巾36㎝、前机と同様、精巧に造っています。
常花です。
満開の蓮の花と葉、蕾を活ける花瓶は蓮池をイメージして水波紋を。
香炉も唐草透かし彫りによる木彫で仕上げました。
※灰を受ける「なかご」は金属製です。
真宗大谷派特有の鶴亀火立です。
こちらは欅の一木造りで制作しました。
※蝋燭立は金属製です。
これまでいろいろとオリジナルの創作仏具を制作してきましたが、一式で造らせていただくことは初めてのことになります。
またこういった機会を頂けるよう研鑽を続けて、唯一無二の仏具を生み出したいですね。
仏具も仏像と同様、後世まで遺り続けてほしいと願います。
【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)