亡き奥様の供養のためにとご依頼頂いた悲母観音。
奥様は生前2度お子様を授かるチャンスに恵まれましたが、医療も整っていなかった時代でもあり、それは叶いませんでした。
そのお話をお聞きし、右手に赤子を抱え、足には甘えるようにしがみつくお子の姿を想い描きました。
悲母観音とは母が子を想うように、どこまでも深く大きい慈愛の心を表わした観音像です。
こういった”型”のない仏の制作には最初に原型を作ります。
私の場合、雰囲気を確認するためのものなので精巧には作りません。
原型を精巧に作りすぎると次木彫に移る時に木に姿を移すだけの”作業”となってしまうので、あくまでも原型はおぼろげに作ります。
木彫仏は一期一会、計算できない造形だからこそ神秘性が生れると思っています。
今回使用している木は木曽桧。
人肌に近い木肌と美しい木目が特徴で、こういった慈愛に満ちた観音様にはぴったりの木です(^-^)
私も今年長女が生まれ二児の父となりましたが、亡き奥様の気持ちを想うといたたまれません。
ですが二児の父になったからこそ具現化できる観音様なのかもしれません。
かなりお姿が出てきました〇
これからより細部を彫り進めていき完成に向かいます☆
【宮本我制作実績】http://gakyu.jp/works