ご依頼いただき身丈8寸(総丈約32cm)の韋駄天像を謹刻させていただきました〇
使用した材は楠、木地仕上げですが甲冑と衣の質感を彫り方で違いをつけ、より臨場感が高まるよう制作しています。
韋駄天様は主に禅宗寺院で伽藍を守護する仏様として祀られています。
「韋駄天走り」という言葉があるように、足の速さは諸天中随一で釈尊の遺骨分配に際して、仏牙を盗み去った足の速い鬼を追って取り返したという伝説があります。
あと、「ご馳走」という言葉も韋駄天様がお釈迦様や仏道修行者のために方々を駆け巡って食物を集めたという話からきているといわれています。
実は知らず知らずのうちに親しんでいる仏様なんですよね(^^)
仏牙を「韋駄天走り」で取り返えし、お釈迦様の前で忠臣の武将が一礼するイメージで彫り上げました。
ですので俊足を飛ばし、急に止まったものですから衣がまだたなびいています(^^)
韋駄天様は天部に属する仏様です。
天部は如来、菩薩に比べて人により近い存在であることから、お顔の表情などは少し人間味をもたせるようにしています。
仏牙を取り戻しましたが、御入滅されたお釈迦様の前で悲しげに合掌する少し憂いのある表情です。
本作で2体目となる韋駄天像ですが、現在3作目に取り掛かっています。
一体一体表情は違いますが、至高の御姿を求めて励んでいきたいと思います(^^)
【宮本工藝制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)