福岡・天神に誕生したアートスペース「モノノアハレヲ」内に現代茶室「邯鄲洞」が完成し、今回その御茶室の扁額をお造りさせていただきました。
邯鄲(かんたん)とは「邯鄲の夢」という故事からとられた名で、人の世の栄枯盛衰のはかなさを意味します。
小堀遠州流御家元が揮毫された文字を約百年前に京都の古民家で使用されていた松の古材に刻み込みました。
長年の経年変化で味わいを増した唯一無二の古材に扁額として新たに命を吹き込んでいく、「邯鄲」という文字が意味する無常観はこの古材でしか表現できなかったと思います。
3月20日に行われた扁額除幕式・茶室披きにお招きいただきました。
時間をかけて制作した扁額が実際に掲げられたところを見るとこみ上げてくるものがありました、感動です(^^)
除幕式の後、小堀遠州流家元嗣の小堀宗峯様によるお茶会を堪能させていただきました。
所作の一つ一つが美しく、時を忘れて見入ってしまいました…。
「型」というのは練磨され続けるとこんなにも美しいものに昇華するのかと。
彫刻にももちろん「型」があります。
型を繰り返し続けていくと無意識の内に手に馴染んでくる。
それを土台として自分の中にある美意識を信じてより自由な表現を模索している日々ですが、改めて型の大切さを痛感した一日となりました(^^)
この後、駆け足で博多観光をして日帰りで京都に戻ってきました。
目まぐるしい一日でしたが大変貴重な経験をさせていただきました。
博多・天神にお越しの際はぜひお立ち寄りください☆
モノノアハレヲ | 福岡市多目的レンタルスペース (mononoaharewo.com)
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