ご依頼いただき弥勒菩薩半跏思惟像をお造りさせていただきました。
造仏から千年以上たった今でも愛され続ける広隆寺像をモデルに、令和の現代に私なりの解釈と美意識を加えて現わしました。
使用した材は山桜。
山桜はよく研いだ刀で仕上げると独特の美しい艶がでて、彫刻材の最高峰である白檀と見間違えるほど美しい木質を持っています。
半面、堅く彫るのに時間のかかる材でもありますが、今回はそんな山桜を一つの木塊から彫り出していく一木造りで彫り上げました(^^)
五十六億七千万年後に兜率天から衆生を救いに来てくださる弥勒菩薩。
その兜率天でどのように衆生を救えるか思索し、気付きを得て今まさに救いに舞い降りようとしているところです。
頬に軽く触れる中指は薄皮一枚でつながっていて、指の離れ際、行動に移るその刹那を指先に表しました。
現広隆寺像は頬と指は離されて造られていますが、今回最もこだわったところでもあります(^^)
飛鳥時代に造られ今でも愛され続ける広隆寺像をモデルにした本像。
疫病、紛争、混沌とした令和の時代にあって、思惟し微笑する「令和の弥勒様」を心のよりどころとしていただければ幸いです。
【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)