大徳寺聚光院様からご依頼いただき韋駄天像をお造りさせていただきました。
韋駄天像は今作で三作目、集大成となりました(^^)
韋駄天様は主に禅宗寺院で伽藍を守護する仏様として祀られています。
「韋駄天走り」という言葉があるように、足の速さは諸天中随一で釈尊の遺骨分配に際して、仏牙を盗み去った足の速い鬼を追って取り返したという伝説があります。
そして「ご馳走」という言葉も韋駄天様がお釈迦様や仏道修行者のために方々を駆け巡って食物を集めたという話からきているといわれています。
実は知らず知らずのうちに親しんでいる仏様なんです。
その韋駄天走りで駆け回り、帰した一瞬の刹那を表します。
衣はその余韻を残しまだ暴れていてもう少しで落ち着くところです。
主に禅宗の玄関にお祀りされる韋駄天像。
宝棒を手に持ちうつむく姿勢は来訪者に合掌し礼拝するイメージです。
像高51㎝、楠の一材から彫り出しました。
私と大きさの比較を、精魂尽き果て顔が枯れておりますが…(^^;
しっかりと木箱に納入して先日お納めさせていただきました。
開眼法要の様子はまた追って記事にしたいと思います。
集大成となった今作、SNSでも韋駄天走りで駆け回ってくださり沢山の反響をいただきました。
こうして仏像彫刻の「今」を知っていただけたのはとても嬉しいことでした。
仏像はその時代毎の美意識をもって現すことと心得ておりますが、私なりの「令和の仏像」の現し方に少し光が見えた気がします。
人の心を打つ仏様が彫れるようこれからも研鑽に励んでいきたいと思います。
【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)