僧形文殊菩薩は禅宗では文殊菩薩の修行途中の姿を表し、剃髪し坐禅を組む僧形で修行僧の完全な姿として坐禅堂の中央に安置されます。
おぼろげに彫られた眼は「見るともなく見る」非思量の境地を、衣の無秩序に波打つのひだや折り目は実在感を表します。
独立当初から作り続けてきた僧形文殊菩薩騎獅像、今回で四作目となりました。
眼は半眼、口元は静かに調息をつきます。
楠の一材から彫り出した本像、如法衣と呼ばれるお袈裟特有の質感にこだわり、衣の折り跡まで彫り表しています。
昨日像に御霊を入れる開眼法要が執り行われました。
木塊が仏になる瞬間です。
今後座禅会などで皆さんの規範となるべくご安置されるようです。
これから長い時間をかけて木が熟成し像が育っていきます。
地域の方々に愛され堂宇を守り続ける尊像として末永くお祀りいただけることを願っています。
【宮本工藝制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)