身丈1尺5寸虚空蔵菩薩完成しました。
ご安置先は千葉県船橋市の真言宗寺院・明王院様、約6年越しの納品となりました。
眼には玉眼を仕込んでいます。
胸飾りはオリジナルで唐草をデザインし、一材から彫り出しました。
右手には「智慧」を象徴する火炎宝剣。
左手には福徳を表す宝珠を乗せた蓮華を持ちます。
先日無事納品となりました。
やはりお堂に収まるとキリっとみえますね(^^)
ご依頼いただいたのは6年前に遡ります。
当時は独立2年目で実績も乏しく見ていただく作例も少ない中お声がけいただきました。
寺宝となる仏造りを独立したての仏師に任せるのはとても不安だったと思いますが、御住職は「いつまでも待ちますので納得がいくまでやってください」と言ってくださいました。
初めての弟子ができ、工房も成長していく過程の中で常にこの虚空蔵さんが傍らにおられました。
いつも視界に入る場所に置き、気づきがあれば彫り、また間をとっては彫り、気づけば6年という歳月が流れていました。
レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」も常に傍らに置き生涯加筆し続けたようですが、ちょうどそんな感じでしょうか。
6年間も向き合っていると愛着もひとしお、日増しに手放すのが惜しくなってきます。
納品日前日は殆ど寝れず、千葉までの運転が心配でしたが、道中この仏様と向き合ってきた日々と変遷に想いを馳せていると不思議と目も冴え心の整理もついて、納めた後は何とも言えない晴れ晴れとした気持ちになっていました。
彫りたての真っ白な御姿も時間と共に味わいを増していきます。
これからはお寺で沢山の方々の信仰心を集めながら新たな時間を紡いでいっていただきたいです。
まだまだ仏師人生は続きます。
一期一会の造仏、一体一体悔いのないようこれからも全力で向き合っていきたいと思います。
合掌
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