京都の仏師 宮本 我休 GAKYU ガキュウ

金色の達磨大師・大権修利菩薩像の修復が始まりました〇

仏像の修復はお湯につけて表面の塗装を剥がしていくことから始まります。

お湯につけやすくするためある程度接合部分を解体していきます。

金属の釘などが多数使われていたのですべて取り外します。

金属と木は相性が悪く、釘などを打った箇所の周りが腐ってしまうため、代わりに竹や木のダボで補強しなおします。

確かに釘を使うと簡単なんですが、後の修復のことをを考えると時間はかかりますが大切な作業になります。

数百年後にまた修復してくださる職人さんのことを想って仕事をする、こういった気遣いが良い仏像を先の未来に残していくことになると思っています。

ある程度解体が済んだら御仏像をお湯につけていきます。

お湯につけると表面の塗装がふやけてくるので彫刻刀やブラシで丹念に洗い落としていきます。

御仏像の玉眼は注意深く取り外します。

お湯につけると表面のススが落ちて当時の彩色が蘇ってきます。

これらを詳細に記録し後の復元彩色に役立てます。

洗い作業が終わりすべての部材がバラバラの状態になりました。

まさにパズルのような状態ですね・・・。

どこにどの部材が接合されていたかわからなくなってしまわないよう各部接合部分に印をしておきます。

お預かりした状態がこちら↓

これから乾燥、組立を経て金色の御像に蘇らせていきます〇

今回洗い作業を終えて作られた制作年はわかりませんでしたが一度修復がされていることがわかりました。

仏像は何度も修復を繰り返し先の未来に残していくものです。

その一端を担える喜びをかみしめながらこれから修復作業を続けていきます〇

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