大阪堺の古刹、臨済宗大徳寺派 南宗寺様からご依頼いただき沢庵禅師像をお造りさせていただきました。
先の戦火で焼失してしまった南宗寺の沢庵禅師像を令和の時代に甦らせるプロジェクト。
同じ大徳寺派宗鏡寺様のご協力を得てこの度お納めすることができました。
南宗寺は室町時代創建の古刹であの千利休さんが修行されたお寺、この地で「茶禅一味」精神は築かれました。
堺の町衆文化の発展に寄与した由緒あるお寺も大坂夏の陣で焼失してしまいましたが、当時の住職・沢庵禅師の元で見事に復興を遂げました。
南宗寺にとって沢庵禅師は大変重要で尊ぶべき御方、長らく頂相(肖像彫刻)がありませんでしたのでこの度のご用命となりました。
御像の用材は兵庫県出石市の沢庵禅師所縁のお寺・宗鏡寺に植えられていた桧をご提供いただきました。
沢庵禅師は荒廃していた宗鏡寺を復興し、その後南宗寺の復興に尽力されます。
そういった歴史を知ると、宗鏡寺で植えられていた桧でお造りするということは大変意義深いことです。
質素倹約を貫かれた禅師の風貌は、無駄はなく、隙もない、そぎ落とされた面相をされています。
宗鏡寺蔵の沢庵禅師像を参考に、禅師の歴史やお人柄を自分なりに解釈しながら謹刻させていただきました。
先日無事南宗寺様にご納品させていただきました。
彫りたては真っ白ですが、これから時間をかけて飴色に味わいを深めていかれると思います。
最後に南宗寺住職・田島碩應老師(左)、宗鏡寺住職・小原游堂様(右)と。
沢庵禅師によって繋いでいただいた有難いご縁です。
仏教界に多大な功績を残された沢庵禅師。
その遺徳をしのぶ象徴として末永くお祀りいただければ幸いです。
【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)