今回一般の方からのご依頼で童子形の八臂弁財天様をお造りさせていただきました。
弁財天は七福神の1つに数えられ,福徳や財宝を授ける女神として信仰されています。
その弁財天を親しみのある童子のお姿にしてほしいということでしたので、今回あどけなさの中に神々しさも兼ね備えた弁財天様に仕上げました〇
いつもわらべ像を彫る時は可愛さを前面に出したお姿にしますが、今回は佛としての神々しさ、救ってくださるような力を表現したかったので少し成長した少女のようなお姿で現しています〇
頭頂部には福徳の神様”宇賀神さん”がにっこりほほ笑んでいます(^-^)
持物も精巧に彫刻しています。
ここからは構想段階のラフ画から御像ができていく過程を追っていきます。
木の塊からお姿が現れてきます〇
八臂弁財天の八臂(はっぴ)とは八本の腕のこと。
腕を取り付けていくと神々しさが増していきますね(^-^)
持物の制作開始です。
とにかく細かい…。
慎重に仕上げていきます。
台座は荷葉座(かしょうざ)といって蓮の葉を表していて、水面から蓮の葉が伸び、そこに鎮座されている様子を表しています。
仏を童子型にしたわらべ像は実は歴史が古く、鎌倉時代には作例が見られます。
なぜ仏を童子形にするかというと諸説ありますが、わらべの純粋無垢な童心が仏の清らかな世界、悟りに近いと思われたからかもしれません。
実際に子供を見ていると確かに仏の姿そのもののような気がします(^-^)
これからも人に癒しを与え、親しみやすいわらべ像を現していきたいと思います〇
京仏師 宮本我休 合掌
【宮本工藝わらべシリーズ】http://gakyu.jp/works_category/warabe