ご依頼いただき四天王の一尊・広目天像を制作しています。
今回ご依頼主のご要望で東大寺戒壇院の広目天を参考に御姿を造り上げていくことになりました。
広目天は四天王の中で唯一武器を持たず筆と巻物を持った御姿をされていますが、それは様々を観察し、帝釈天に報告をする役割を担っているとされており、筆と巻物はその観察と報告を行うための記録の用具であると解釈することができます。
【宮本我休仏画】http://gakyu.jp/information/news/3814.html
使用する材は国産の楠。
楠(クスノキ)は樟脳という防虫効果のある成分を含み、堅剛ですが刀の入りのよい木質は彫刻にとても適した材で古くから仏像彫刻に使われてきました。
日本書紀にも”海から流れ着いた二本の楠で彫像した”という記述があるほどです。
今回はそんな由緒ある楠で唯一無二の御像を造り上げます(^^)
先ずは御顔の試作から。
広目天の由来となったインドの神様のサンスクリット語名(梵名)は「ヴィルーパークシャ」。
このサンスクリット語の意味は「様々な眼を持つもの」や「特殊な眼をもつもの」を意味する言葉です。
この意味から、広目天は千里眼もしくは浄天眼という千里を見通す眼力を持つという解釈がなされ、漢訳にて広目天という名前が付けられたとされます。
“全てを見通す眼力”をどう表現するか…試行錯誤が続きます。
ある程度御顔の雰囲気も見えてきたのでいよいよ彫像に入ります〇
鑿を打つ音が響き、工房中に楠特有の香りが広がります。
【宮本我休作仏像制作実績】http://gakyu.jp/works_category/buddha
角材から少しづつ御姿が見えてきました〇
木塊の中から「己が姿を出してくれ」という声が聞こえてきそうです。
仏像彫刻は一期一会。
幾ら事前に設計しても思い通りにはならないのが常です。
特に私の場合、ある程度の完成図は頭に入れながら木の赴くまま刀を進めて途中で意匠をを変えたりもするので自分自身でも出来上がりが完成まで予測できません…(^^;
でもそれが仏像彫刻の最大の楽しみであり、創作の原動力にもなるのです。
まだ見ぬ完成像を楽しみにしながら彫り進めます☆
【宮本工藝制作実績】http://gakyu.jp/works