ご依頼いただき、立ち姿の獅子に乗られた文殊菩薩像をお造りさせていただきました。
通常獅子は立ち止った状態で造ることが多いですが、今作は一歩踏み出した「動」の獅子で、こちらからではなく向こうから衆生を救いに来てくださるという表現にしています(^^)
大きさは身丈3寸で総高さ約33cm、材は木目の細かい桧葉の木を使用しています。
文殊菩薩とは「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があるように智慧を司る仏様で、右手に宝剣、左手に経典を持つ御姿です。
「智慧の文殊」らしく理知的な表情に仕上げています〇
動き出す獅子は眼光鋭く、主人の文殊菩薩様の行く手を阻むものににらみを利かせます。
ネコ科?特有のしなやかな筋肉も彫り表し、空想上の動物でありながら実際に存在するかのようなリアリティも追求しています(^^)
向かって左の画像は以前造らせていただいた普賢菩薩「動の白象」ですが、今作はその普賢菩薩様の対の存在としてお造りさせていただきました〇
通常文殊菩薩と普賢菩薩はお釈迦様の脇侍としてお祀りされることが多いですが、今回は文殊、普賢一対で、こちらからではなく向こうから衆生を救いに来てくださる「動の表現」という新しい試みです。
古典を追求しながらも新しい表現も加えていく、これからも温故知新で造仏に励んでいきたいと思います(^^)
【宮本工藝制作実績】