北海道の真言宗寺院、真隆寺様よりご依頼いただき、山号額を制作させていただきました。
山号額とは寺院の名称に冠する称号を刻んだ、所謂お寺の看板にあたるもので、本堂などに掲げられます。
山号は「金剛山」、寺紋(家紋にあたるもの)は八雲であることから、二つの金剛杵(独鈷)が八つの雲に乗って現れる様子を彫り表しました(^^)
お寺のある地域は夏と冬で寒暖差が60℃以上あるということで、厳しい環境にも耐えうるよう十分に乾燥した欅の厚板を使用し、反りや割れが発生しにくいよう工夫しながら完成させました〇
山号の文字は長い年月にも耐えうるように深く刻み込み、岩絵の具で仕上げています。
毛筆特有のかすれも忠実に彫り込みました。
雲に乗る金剛杵(独鈷)です。
実際のものより随分大きいですが細部まで精巧に彫り上げています。
取り外せるので法具として使用もできます!
この山号額の象徴でもある雲は動きを出すためなるべく高低差をつけてより深く彫りだしています。
自然現象でもある雲の動きを様式化し、重厚感と動きのある雲に仕上げました(^^)
こうして横から見ると雲の複雑な動きと起伏がわかっていただけるのではないでしょうか(^^)
こちらは制作風景。
堅い欅に鑿を何度も欠けさせられながらも、より深く、より深くと納得がいくまで彫り続けました(^^)
これまでの制作工程はこちら↓
今回創作仏具としては二作目の山号額ですが、山号に因んだ意匠でこのお寺唯一のものになったと思います。
山号額はお寺の顔ともいえるもの。
これからお参りされる方々の印象に深く残りお寺のシンボルとなってくれることを願います。
実際に掲げられる日が待ち遠しいです(^^)
【宮本工藝制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)