京都の仏師 宮本 我休 GAKYU ガキュウ

下鴨神社・禮殿(祈祷殿)御再興奉祝祭が執り行われました。

令和六年七月一日、禮殿(祈祷殿)において御再興奉祝祭が執り行われました。

先立って六月三十日午後八時に御神は遷座され、獅子狛像への狛御料(獅子狛像に御飯を与える神事・仏式の開眼法要と同意)と禮殿御再興奉祝祭がこの日同時に執り行われました。

社殿内に宝物を納入します。

写真では見せれませんが貴重な品々が慎重に運び込まれました。

新木宮司をはじめ神職の方々がご入場されます。

御神を前に神楽が御奉納されます。

万事滞りなく神事が執り行われ、社殿の扉が閉じられます。

獅子狛犬像もこの時を境に木彫像から神使となりました。

作者でも簡単に近づくことはできなくなりますが、末永く御神を護る存在として在り続けてほしいと願います。

第一刀目、ここから全ては始まりました。

下鴨神社の長い歴史において、獅子狛像新調は実に150年ぶりのこと、こういった歴史的な事業は願って簡単に叶うものでもありません。

ただ、いつか来るかもしれない機会のために、研鑽の日々を一日一日積み重ねてきました。

その積み重ねをこの貴重な機会に発揮できたのは仏師としてとても幸せなことでした。

へたなものを納めると末代までの恥にもなりえる、京都でも屈指の歴史を誇る下鴨神社に拙作を納めるということは大変なプレッシャーでもありました。

制作期間中はそのプレッシャーに押しつぶされそうになりましたが、私のモットーでもある「制作を楽しむこと」を続けて乗り越えることができました。

御奉納の際に宮司様から「この令和の獅子狛像をまた後世まで大切に引き継ぎます」という言葉をいただいて、すべての苦労が報われた気がします(^^)

改めましてこの獅子狛像制作にあたって推挙くださった方々、ご協力いただいた職人の方々、また、新木宮司を始め、私の挑戦にご理解いただいた神職の方々に厚く御礼申し上げます。

全10回にわたって記してきました下鴨神社獅子狛像特集記事もこれをもって最後となります。

また新たなご縁に向けて研鑽の日々を続けます。

日本の自然や伝統が未来永劫続いていくことを願って。

弥栄

【下鴨神社獅子狛像】

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