京都の仏師 宮本 我休 GAKYU ガキュウ

阿難・迦葉尊者の修復

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本日 豊岡市の宗鏡寺様よりお預かりの阿難・迦葉尊者の修復が完了し無事納めてまいりました。

こちらの御像は鎌倉時代作で豊岡市の文化財に指定されています。
歴史のある仏像ということで傷みが激しく、特に損傷の激しい両尊者の肌と足、光背と台座を中心に修復を行いました。
肌の部分はその御仏像の経年劣化に合わせて着彩しなじませていくという古色という技法を用いています。
割れた箇所には接着し竹釘を打ち込んでより強度を高めますが、竹を使うのは後の修復をしやすくするためです。

仏像の大きい修復はだいたい二、三百年に一度行われます。
千年前に作られた仏像は何もしないで千年もつことはありません。
長い時間の中でたくさんの職人の手が加わって次につなげることで今現在拝むことができるんです。

次の職人が仕事をしやすいようにする、表に見えないところですがそうやって思いやりを持って仕事をすることで後世に引き継がれていくものだと思います。
自分が手掛けた仏像を自分の子、孫…と未来で拝んでくれていることを想像すると手は抜けないし、やりがいを感じます〇
今回このような貴重な経験をさせていただき大変感謝しております。
より多くの御仏像を後世に残せるように日々努力していきたいと思います。

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