亡き奥様の供養のためにとご依頼頂いた悲母観音。
奥様は生前2度お子様を授かるチャンスに恵まれましたが、医療も整っていなかった時代でもあり、それは叶いませんでした。
そのお話をお聞きし、右手に赤子を抱え、足には甘えるようにしがみつくお子の姿を想い描きました。
悲母観音とは母が子を想うように、どこまでも深く大きい慈愛の心を表わした観音像です。
観音様の特徴でもある髪の毛を高く結わえた髻(もとどり)が薄いベールのような衣の下に隠されています。
優しく赤子を見つめ、左手でそっとお子を気づかいます。
私にも4才になる息子と9ヶ月の娘がいます。
そんなタイミングでこの御像を造ることになったのもまたご縁なのかもしれませんね。
子を愛する気持ちは何物にも代えがたいもの、そんな父親としての慈愛の念を一刀一刀に込めてお造りさせていただきました。
浄土で亡き奥様がこうしてお子と濃密な時を過ごされている、そんなお姿を想いながら。
【悲母観音制作過程】http://gakyu.jp/information/works/3244.html
【宮本我休制作実績】http://gakyu.jp/works