ご依頼いただき身丈1尺1寸(総高約60㎝)阿弥陀如来立像をお造りさせていただきました。
使用した材は木曽桧、仏身には截金を施し浄土の煌びやかな世界観を表現しています。
半眼で少し微笑む表情。
阿弥陀様は他力本願、すべてを委ねることができる包容力と安心感を礼拝者に与えます。
「一番難しい仏様は?」と迷わず阿弥陀様と答えます。
質素で飾り気がなくが情報量が極めて少ない造形は、ごまかしが効かず作者の技量が露わになります。
そのシンプルな佇まいから、どこまでそぎ落とせるか、自問自答を繰り返し極限まで突き詰める気概が求められます。
造形としては質素でありながら截金を施すと一気に華やかになりますね(^^)
この阿弥陀様は制作途中で取りすぎてしまい失敗を後悔しながら一定期間手をつけず放置していました。
毎日眺めていると少しずつ他に余分が見えてきます。
その余分を削っていくと、最初に取りすぎたところが適正になっていく。
失敗した、と思うくらい削り落とさないと阿弥陀様のような極限までそぎ落とされた神々しい御姿は現せません。
「失敗は好機」ということを改めて教えていただいた作になりました。
末永くお祀りいただけましたら幸いです。
【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)