京都の仏師 宮本 我休 GAKYU ガキュウ

清水寺でだるまワークショップを開催しました〇

清水寺境内を中心に活動する現代版寺子屋「育龍(いくりゅう)」

今後のために何が大切なのか、何を守るべきなのかを考える場所、子供達だけではなく大人も一緒に考える場として清水寺さんが発足されました。

その第五回目に私のだるま彫刻&彩色ワークショップを採用していただきました。

清水寺さんのこの活動を新聞を通して拝見し、その哲学と意義に大変感銘を受けこちらから逆オファーをさせていただいた次第です。

先日開催したそのワークショップの様子をご紹介していきます☆

始まる前に主催者である大西晶允さんに先導いただき本堂をお参りさせていただきました〇

朝早くにもかかわらず参拝者の多さにビックリ、、、

さすが達筆、ありがたいです(^^)

会場は円通殿。

広々とした空間に観音様もいらっしゃいます。

今回は午前中に彫刻、午後に彩色とワークショップを二回に分けた二部制となりました。

拙作も少しばかり展示させていただきました。

手前大日如来像と十一面観音像は弟子時代の作。

清水さんの除夜の鐘を聴いて仕上げた作です。

こうして展示できる日が来るとは…感慨深いです(^^)

先ずはこの寺子屋・育龍の主催者でもある大西晶允さんにこの取り組みの意義をお話しいただきました。

始める前に皆で読経です。

場を清めていただくこと、良い作ができるようにと念じます、貴重な時間となりました。

私からもこのワークショップを始めた経緯を少しばかり話させていただきました。

いよいよだるま作りスタートです〇

慣れない彫刻刀に苦戦しながらも少しずつ形が出てきます。

集中すると時間はあっという間に過ぎていきます。

皆さん黙々と作業に没頭されていました(^^)

たまに整形(笑)

最後に目を入れて完成です〇

個性的なだるまさんがズラリ!

この短時間でも個性が滲み出るのが彫刻の面白いところ、世界で一つ、自分だけのだるまさんが完成しました(^^)

制作しただるまさんに守護してもらえるよう特別にお経を上げていただきました。

このだるまさんもそうですが仏像も制作しただけでは木彫作品にすぎません。

こうしてお寺様からお性根を入れていただくことで初めて「仏様」となるんです。

ここからは午後の部、だるま彩色のワークショップです。

彫刻と比べて刃物を使わないため怪我のリスクが少ないワークショップです。

沢山の子供たちが参加してくれました(^^)

作業開始!

最初はひたすらだるまさんをサンドペーパーで磨き上げる作業。

皆粉まみれになりながら頑張って磨いていきます(^^)

最後はツルツルピカピカ、昔砂場で作った泥団子を思い出す!?(笑)

おチビたちなかなかの集中力〇

ここから何人かうちの工房にぜひ!(笑)

磨き上げたら目と鼻を付けます。

ここですでにオリジナリティ全開です(^^)/

色付けスタート!

子供は思い切りがいい〇 見習いたい…(^^;

上手~(^^)

集中してます(^^)

ボーダー!?どこまでも自由です(^^)

お父さんもどこまでも自由(笑)

晶允さんも参加、立派なお袈裟が汚れてしまわないかヒヤヒヤ~

お母さんもどこまでも自由!

今年はタイガースかカープか!?(笑)

目がメラメラと燃えている、、、上手にできました(^^)/

赤鼻がポイント〇

大人も子供も一緒になって楽しむ、至福の時間です(^^)

目を描き入れて完成です〇

これまた個性的なだるまさんがズラリ並びました!

このカラフルだるまさんにもお経を上げていただきワークショップ終了です〇

モノづくりと仏教に触れる大変貴重な時間となりました(^^)

京都には沢山のお寺がありますが、過去に跡形もなく消えてしまった大寺院が存在しました。

その代表的なものに「西寺」と「法勝寺」があります。

西寺は現存する東寺と対をなすお寺、法勝寺は京都岡崎にあった巨大寺院で、伽藍の中の九重塔はなんと81メートルあったといわれています。

そんな大寺院も焼失と荒廃を繰り返し、ついには歴史に消えていきました。

清水寺もご承知の通り大寺院の一つですが、創建以降何度も火災で焼失しながらもその度に復興し、見事な伽藍を維持し続けてきました。

何故西寺と法勝寺は消え、清水寺は1200年もの間残り続けているのか、

様々な歴史的、政治的背景はあるにしろ根本的なところはその時代毎の人々に愛され続けてきたから、だと思うのです。

朝早くから沢山の参拝者で賑わい、国籍を超えてみなニコニコしながら境内を散策しておられます。

一般の方を受け入れる風通しの良い気風と圧倒的な景観と歴史も相まって、愛され続けているんやなぁ、と境内を散策しながら感じました。

このワークショップを通してより一層清水寺を好きになってくれる人が増えて、そしてお寺が維持されまた後世に繋がっていく。

その一助となれたなら仏師としてこれほど幸せなことはありません。

ぜひこれからも清水寺さんの活動に注目していただきたいです☆

寺子屋育龍 | OKAGESAN

次回ワークショップは11月に高野山で予定しております。

真言密教の聖地での開催、楽しみです☆

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