新たなお寺の本堂にお祀りされる身丈1尺3寸本尊・釈迦如来坐像が完成しました〇
印相は禅定印、総木曽桧づくりの木地仕上げで、仏身には極密の截金を施しています。
光背にはこだわりぬいた唐草と宝相華を配し、截金で荘厳されたお姿をより一層引き立てます。
今回は座禅を組んでいるお姿で現しました。
眼は半眼で一点を見つめ、力むことなくゆったりと座禅を組む姿勢です。
口元は息を細く吐いている様子を表し、呼吸の一つ一つが語り掛けているような、そんなイメージで彫り上げました(^^)
截金(きりかね)とは六世紀に仏教とともに大陸より伝えられ、金箔を数枚焼き合わせ、厚みをもたせたものを細く線状、または、丸・三角・四角などに切り、それを筆端につけて貼りながら種々なる文様を描き出す伝統技法です。
今回は様々な古典文様を仏身の衣部分にびっしりと施しています。
お祀りすればなかなか見ることのできない後姿にも煌びやかな截金が余すところなく施されています。
仏身と同様に光背と台座にも随所にこだわりぬいた造形を施しています。
背後から仏を引き立てる光背は透かしの唐草文様に架空の華・宝相華。
昔から好んで制作し研究してきた唐草は単調な文様に仕上げるのではなく、動きのある”生きた唐草”を志向し、截金で荘厳された煌びやかな仏身に負けることなく引き立てるよう重厚で存在感のある仕上がりにしています〇
仏様がお座りになる蓮華には一枚一枚花びらを造り咲きほこった様子を表します。
その他華盤や返り花といった各パーツも一刀一刀想いを込め、木目を活かした鏡面仕上げで造り上げました(^^)
こちらのお釈迦様は工房を立ち上げて初めての御本尊としてのご依頼となります。
新たな本堂に御本尊をお造りさせていただける機会はそうそうないので今回ご縁をいただけたことにとても感謝しております。
時間がかかってしまいましたが試行錯誤を繰り返し自分が理想とするお釈迦様のお姿を現せたと思います。
最後は工房の皆で(^^)
構想から完成まで気づけば三年の月日が流れていました…。
その間に弟子が一人また一人と増え、台座はその弟子達と共に力を合わせて造り上げました。
宮本工藝一同チームワークで造り上げた自信作です〇
後はお寺や地域の方々に愛され続け、歴史に残る御仏像となるよう願っています。
【これまでの釈迦如来坐像の制作工程】↓↓↓
①http://gakyu.jp/information/works/1111.html
②http://gakyu.jp/website/wp-admin/post.php?post=1129&action=edit
③http://gakyu.jp/information/works/3354.html
④http://gakyu.jp/information/works/3367.html