京都の仏師 宮本 我休 GAKYU ガキュウ

新作仏像 マリア観音像が完成しました〇

家の建て替えのため、やむを得ず切られた桜を仏様にして供養したいとご相談をいただきました。

ご依頼主様が以前制作した拙作のマリア観音像を見てご縁を感じられ今回のご依頼となりました。

左手に満開の桜を持ち、それをそっと見つめる表情。

桜の御霊がマリア観音様に移る情景を表現しています(^^)

桜の木は彫刻を始めるころは十分に乾燥が進んでいない状態でした。

そういった場合、一気に彫り進めると木が暴れて大きく割れたりすることもあるので、少し彫っては時間をおいて、を繰り返し少しずつ彫り進めていきました。

しっとりとした衣紋や細かい胸飾りもじっくりと時間をかけながら仕上げていき、桜の木ならではの艶やかな美しい木肌を最大限引き出しました(^^)

これまでの制作風景は↓↓↓

マリア観音様を制作しています〇

小さいですが桜の花も精密に彫り表しています。

桜の木は堅く繊維が綿密なため、こういった細かい彫刻がしやすいという特徴があります。

この桜の木だからできた表現です(^^)

桜の頃を懐かしむような少し愁いのある感情と、新たに仏様となった歓びが混ざり合ったこのマリア観音様独自の表情です。

仏様の表情は刻々と変わっていきます。

これからご依頼主様のもとでより良い表情に育っていかれることを願っています(^^)

今回、長い間お家の敷地に植わっていた桜の木から造仏するという難しいご依頼でしたが、唯一無二の桜の木と対話しながら、想い描いた御姿にすることが出来ました。

先日ご納品させていただき大変喜んでいただきました〇

嬉しさと同時に、長らく向かい合ってきた仏様ですので離れるのが少し寂しいという複雑な感情が入り混じりましたが…、大切にしていただけるご依頼主様のもとに行かれ、しかも桜の木として生き続けた場所に戻られるわけですので仏様も喜んでおられるのではないかと、今は送り出したことに喜びを感じています(^^)

 

毎年春になると見る人を楽しませていた桜の木。

これからはマリア観音様として人々に喜びと癒しを与えて続けていただきたいと願います(^^)

【宮本工藝制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)

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