達磨大師は言わずと知れた禅宗の開祖、大権修利菩薩はもとは中国唐時代の神で今では曹洞宗の寺院で伽藍を守る守護仏としてお祀りされます。
今回の御像は金色に輝く漆箔仕上げというとても珍しい形になります。
彫刻技術もとても素晴らしく、制作時期ははっきりしませんがかなり力を入れて制作されたということがわかります。
前回の投稿でも触れましたが、先ずは御像を解体し、お湯につけ、表面の塗装を剥がしていきます。
洗い作業が終わりました。
各接合部分も剥離し、バラバラの状態となりました。
この状態で自然乾燥させていきます。
乾燥が終わればいよいよ組立作業です〇
バラバラになった各パーツを接合していきます。
徐々に組上ってきました。
虫が食べて損傷が激しい箇所は新しい部材に取り換えます。
なるべくこの御像の制作者の彫り癖を読みながら同じように彫り進め馴染ませていきます。
損傷が激しく木材で補えない部分は木屎(木の粉と接着剤を練り込んだもの)を充填し、補修していきます。
解放されていた御像の底もしっかりと閉じて補強し直しました〇
御手も元の彫りに合わせながら補填していきます。
玉眼納入作業です。
この御像の玉眼は水晶でとても精巧に作られたものです。
彩色で眼を入れ簡単に取れないようにしっかりと補強します。
木地が組上りました〇
修復前は崩れそうなほど損傷が激しかったですが、強度を高めながらしっかりと組上りました。
修復は見えないところにどれだけ労力を使えるか、その想いが2、300年後の次の修復まで御像の劣化を最小限にとどめます。
これから塗師(ぬし)という漆を塗る専門の職人さんの手によって下地処理をされ漆を塗っていただきます。
この塗りの作業はとても重要で場合によっては御像のお顔や雰囲気ががらりと変わってしまいますが、お願いする職人さんはとても腕のいい方ですので安心してお預けできます(^-^)
また塗り作業が終わりましたらご報告いたします☆