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ホーム > 特集 > 賀茂御祖神社(下鴨神社) 獅子・狛犬造立へ〇 > 金色の獅子完成です。

彫刻はもちろん、使う材料と技法にこだわり、着手からおよそ一年半をかけて造り上げてきた獅子が完成しました。

白銀の狛犬に対して金色の獅子、二尊一対でお祀りされます。

阿形の獅子です。

低く唸るように咆哮し、眼光鋭くにらみを利かせます。

諸悪に対して今にも飛びかからんとする姿形、筋肉が隆起し臨戦態勢が整った状態です。

獅子は金箔の上に金粉を撒く「拭い粉」という技法で金色に仕上げています。

この技法は仏像の肌などによく使われます。

箔を押し、その上に粉を撒くわけですから手間もコストも通常の倍以上かかりますが、その分表面の起伏や陰影がはっきりし、落ち着いた輝きとなります。

筋肉や皮膚の質感にこだわった今作においては最上の技法です。

筋肉の起伏や皮膚の質感、内臓まで意識して彫り現しています。

空気を吐いているのか、吸っているのか、呼吸も意識します。

そういった細部へのこだわりが違いを生むと信じています。

一定の秩序をもって流れるような毛筋は獅子が持つ神力を強調させます。

柔軟に変形、可動する背骨。

獅子の胎内には由緒などを記した木札が納められています。

この中身を確認されるのは何百年後でしょうか、想いを未来に託します。

天然水晶を削りだした玉眼。

極限まで薄く削り出すことで理想の眼光を創り出すことができました。

無理なお願いを聞いていただいた玉眼師さんに感謝です。

彫刻、塗り、箔、玉眼、彩色と各工程で最高の仕事ができたからこそ現れた令和の獅子。

連綿と続く下鴨神社の歴史にこの姿形を遺します。

 

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Profile

宮本 我休GAKYU MIYAMOTO

京都生まれ。 学生時代に服飾を学び、卒業後京都の仏像彫刻工房にて仏像の彩色を手掛けたことをきっかけに仏像彫刻の世界に入る。 9年間の修行の後、平成27年4月独立。 京都・西山に工房を構え「宮本工藝」を設立し、日々仏像・仏具、 その他木彫刻全般の研究、制作に励む。 学んだ服飾技術を活かし、リアリティのある衣文表現を得意とする。(京もの認定工芸士認定番号第128号)

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