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ホーム > 特集 > 賀茂御祖神社(下鴨神社) 獅子・狛犬造立へ〇 > 白銀の狛犬完成です。

金色の獅子に対してこちらは白銀の狛犬です。

こちらはあたりを警戒しているようなイメージ、臨戦態勢が整った獅子に対して、少し緊張感のほぐれた筋肉表現です。

違いが分かりにくいかもしれませんが、作者としてはそこまで意識しているんです…。

日本で最後の一人となった金沢の箔打ち師・高橋さん作の貴重なプラチナ箔二度押しし、その上に更にプラチナ粉を撒いて仕上げてます。

非常に贅沢な仕様ですが、今回の狛犬を表すには欠かせない工程です。

毛の色は金地に緑の獅子に対して、狛犬は銀地に青。

この独自の角は賀茂御祖神社(下鴨神社)本殿にお祀りされているおよそ150年前に造られた狛犬のものと同様です。

鋭利に削られたような形状は他に作例が見られず、賀茂御祖神社独自の表現と考えられます。

制作当初はこの独特な角が馴染むかどうか心配でしたが、今となってはこの角でしか表現できない狛犬になったと思います。

金と銀、二尊一対の獅子狛完成です。

この獅子狛像制作を進めていくうえで、材料の産地を巡り、職人を訪ね、日本の奥深さを知りました。

また、技術継承の難しさ、伝統工芸の在り方についても考えさせられました。

ですがこの令和の時代において最高の獅子狛像を現すことができたと思います。

納品までの僅かな時間、余韻に浸ります。

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Profile

宮本 我休GAKYU MIYAMOTO

京都生まれ。 学生時代に服飾を学び、卒業後京都の仏像彫刻工房にて仏像の彩色を手掛けたことをきっかけに仏像彫刻の世界に入る。 9年間の修行の後、平成27年4月独立。 京都・西山に工房を構え「宮本工藝」を設立し、日々仏像・仏具、 その他木彫刻全般の研究、制作に励む。 学んだ服飾技術を活かし、リアリティのある衣文表現を得意とする。(京もの認定工芸士認定番号第128号)

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