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一つの木塊から彫りだされた広目天像。

その像を3Dプリンタ―で出力しました。

私の仕事は大方受注制作になるため、制作した作が手元にほとんど残りません。

本来であれば同時に2作制作し、片方を残すことが最良ですが、限られた時間でこれは大変難しいことなんです。

そこで今回初めて拙作を3Dプリンタ―で出力する、ということに挑戦してみました。

こうすることで次同じ像容のものを作るときに大いに助けになります。

「型」としての役割ですね。

3Dプリンターの出力方法としてはいろいろとあるみたいですが、今回は積層で造形していく出力機を使用しました。

ノズルから糸のように樹脂が絞り出されて、それが積みあがっていき造形されていくという原理です。

頭部だけでも丸1日時間がかかります。

途中でトラブルもあるため、複数のパーツに分けて造形し、後にドッキングしていく方法を取りました〇

3Dプリンターでの出力精度は予算によって大きく変わります。

対象物をスキャニングするスキャナー、データを出力するプリンターは機械のグレードが上がれば比例してコストも上がります。

今回は予算に限りがありましたので正直なところ精度はイマイチですが…「型」としての役割は十分に果たしてくれそうです(^^)

高精度での出力を望めば手彫りで制作した方が断然安くつく…。

まだまだコスト面で折り合わない分野ではありますが、これから日進月歩で解消されていくと思われます。

古来から自然物に神仏をみてきた日本において、木彫は未来永劫残る(残ってほしい)と思いますが、これからテクノロジーの進化によって祈りの形は多様化していくのではないかと考えております。

木彫が残るには木の神秘性と彫るという行為の希少性、この2つの要素がカギかと。

しかもこの要素はテクノロジーの進化と共にアンチテーゼとして増幅していきそうな気もする、というパラドックス。

今後一生をかけて木彫を研究、研磨していく所存ですが、一方で今は「型」としての役割がこれからどう進化していくのか、、楽しみなのです!

【宮本我休制作実績】制作実績 | 京都の仏師 宮本我休(GAKYU ガキュウ)

 

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