兵庫県出石にあります宗鏡寺蔵の毘沙門天像の修復と荘厳具を造らせていただきました。
この毘沙門天様は50年ほど前に一般の方がお寺に持ち込まれたのですが、御厨子などはなく、それ以来このままのお姿でお祀りされていたようです。
それを不憫に思われた施主の方が何か仏様をご荘厳するものをとお寺に申し出られ当工房にご依頼頂いた次第です。
当初は御厨子を制作することも考えましたが、仏身が黒く煤けているため囲ってしまうのではなく、四方吹き抜けの神殿造りにして仏様を引き立てようと考えました。
一からデザインし、この毘沙門天様だけの荘厳具が完成しました〇
木地、塗り、金箔とそれぞれの職人が技を出し合った漆箔仕上げです〇
正面の飾りには唐草の透かし彫りを配し仏様をより引き立てます〇
屋根の四隅からは唐草の瓔珞が下がります。
ここからは制作工程を記していきます。
先ずは仏様の修復です。
当初のご依頼にはなかったのですが、持ち上げるだけでボロボロと崩れてくるような状態でしたので、一旦継ぎ目を解体し、再接合して補強していきました。
継ぎ目は下地をし、古色(着彩で古くみせること)で馴染ませていきます。
古色前。
古色後。
しっかりと補強し直し、修復は完了です〇
ここからは荘厳具の制作工程です。
屋根は無垢材から彫り出して制作しました。
こうすることで頑丈で狂いも少なく長く使っていただけると思います。
後の修復もしやすいよう工夫しています(^^)
この荘厳具の顔、といってもいい正面の唐草飾り彫りです。
宝相華を中心にそこから放射状に唐草が広がっていくようデザインしています。
彫りあがりました〇
唐草は特に好きな題材で、流れるようで優美な唐草を彫るよういつも心がけています。
次は屋根から下がる瓔珞のデザインです〇
正面の唐草と合わせてデザインしています。
この大きさだと金工で作る場合もありますが、今回は木彫にこだわり一つ一つ丁寧に手彫りで仕上げています(^-^)
欠損していた光背の輪宝も新調しました〇
木地が完成しました〇
ここからは昨日の納品の様子です。
工房にあると大きく感じましたが本堂に入ると少し小さく感じます(^^)
毘沙門天様もしっかりと台座に固定し、慎重に据え付けます。
お寺様や施主様にも大変喜んでいただけました〇
ホッとする瞬間です(^-^)
ここからは戻られた仏様に御霊を入れる法要です。
法要も滞りなく終了し、最後はご住職とパシャリ〇
工房立ち上げ当初から取り組んできた創作仏具。
一からデザインし手作業により造りだす創作仏具は世界に一つしかありません。
こだわりぬいた仏具を後世に残せるよう日々精進していきたいと思います(^^)
風光明媚な場所にある出石の名刹・宗鏡寺。
ぜひ観光を兼ねてお参りください(^-^)
【宮本工藝創作仏具】http://gakyu.jp/works_category/other
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