我休GAKYU

メニュー
ホーム > 新着情報 > お知らせ > 岩手県浄法寺漆を訪ねました。

岩手県二戸市浄法寺漆の産地へ行ってきました。

縄文時代から使われてきた漆ですが、古くからここ二戸地域で生産されてきました。
国産漆国内流通量の8割を担う浄法寺漆は、硬化後の強度が非常に高く耐久性に優れています。
私もその優れた特性から積極的に神仏彫刻の表層に使用してきました。
特に御顔や御手、衣のひだなど角を立てた細部の造形は高い強度を有する浄法寺漆の特性が活かされます。
そんな神仏彫刻に欠かせない浄法寺漆ですが、使うだけではなく、その産地を訪ねてより理解を深めたいと思い今回の訪問となりました。

文化庁の方針で2018年度から、国宝、重要文化財建造物の保存修理には原則として国産漆を使用することに。
しかし保存修理には年平均約2.2トンの漆が必要といわれ、国産漆の生産拡大が望まれています。
訪問前は搔き手が足りないのではないか、と思ってましたが、意外にも搔き手よりも木が足りないのだそうです。
1シーズンで漆を取り切って木を倒す「ころし掻き」が主流ですが、根は生きていて、切り株横からまた新たに木が育ちます。
ただし漆が取れるのは樹齢15年以上の木、新方針からの特需で木が間に合っていないのです。
需要と供給のバランスってつくづく難しいなと、、
でも光明も沢山ありました。
漆掻き職人さんは外から若い方が担っておられましたし、「漆鉋」という漆掻きに使う特殊な道具の作り方も県内で唯一の職人さんからその技を継承されたのだそうです。
各企業の協力を得て、木も新たに植林が進み、漆の森が広がっていました。
※種の発芽確率は15%ほど、苗木を育てるのは大変、、

漆が取れる時期は6〜11月まで。
初漆→盛漆(今ここ)→末漆→裏目漆と取る時期によって漆の特性が変わります。
正に最盛期にお邪魔したわけですが、漆掻き作業は日の出から正午までが基本で雨なら取ることはできません。
※雨なら下草を刈ったりする作業あり
今回は朝6時から密着させてもらいましたが、漆掻きはスピード勝負。
休むことなく掻いては取り、掻いては取りを繰り返します。
取材した漆掻き職人さんは御年77歳、心身が充実されていてとてもお若く感じました。
日を浴び山を歩き回る生活はやはり人間を若返らせるのでしょうか、とても清々しく感じました。

古来から紡がれてきた技術や素材を使える、ということは当たり前ではなく尊いことなんだなと改めて痛感すると共に、日本で連綿と紡がれてきたもので神仏を造り上げたい、と強く思いました。
現地を視察することで見えてきた景色、
これからも一滴一滴大切に使わせてもらいます。
この度の視察にご協力いただいた岩手県浄法寺漆生産組合様、二戸市漆の郷づくり推進課様、漆掻き職人様、浄法寺歴史民俗資料館様、滴生舎様に改めて厚く御礼申し上げます。
漆を通じて日本が更に愛おしくなった、そんな旅でした。

仏像・位牌の彫刻・修復、木彫に関するお問合せ

075-202-2292

平日9:00~17:00(定休日:日祝)宮本工藝

メールでのお問合せはコチラから

メールは24時間受け付けておりますのでお気軽にお問合せください。

Category

Monthly Archives

Tags

お寺で体験!一日だるま彫刻教室!
上へ戻る

GAKYU MIYAMOTO

閉じる