この度大阪堺の臨済宗大徳寺派・南宗寺において江戸時代の名僧・沢庵禅師像をお造りさせていただくことになりました。
南宗寺は室町時代創建の古刹であの千利休さんが修行されたお寺、この地で「茶禅一味」精神は築かれました。
堺の町衆文化の発展に寄与した由緒あるお寺も大坂夏の陣で焼失してしまいましたが、当時の住職・沢庵禅師の元で見事に復興を遂げました。
南宗寺にとって沢庵禅師は大変重要で尊ぶべき御方、長らく頂相(肖像彫刻)がありませんでしたのでこの度のご用命となりました。
南宗寺は戦国大名・三好長慶が創建。
境内には立派な肖像彫刻があります。
近年の研究で三好長慶は後の歴史家の低い評価とは違い、茶の湯など文化面を発展させた功績や先駆的な政治力が見直されています。
そろそろ大河ドラマの主人公にしてもよいのでは??と個人的に思っています(^^)
※上の画像は昨年11月に行われた宗鏡寺での沢庵忌の様子
今回の御像の用材は兵庫県出石市の沢庵禅師所縁のお寺・宗鏡寺に植えられていた桧をご提供いただきます。
沢庵禅師は荒廃していた宗鏡寺を復興し、その後南宗寺の復興に尽力されます。
そういった歴史を知ると、宗鏡寺で植えられていた桧でお造りするということは大変意義深いものになります。
昨年行われた沢庵忌にも参列させていただき良い御像ができるよう誓願させていただきました。
現在宗鏡寺は伽藍大改修の真っ只中、今回の用材の多くはその改修に使われます。
境内の植林は大正十年と昭和の初めに大徳寺塔頭・真珠庵から来られた河村宗寔(そうしょく)住職の元で二度行われました。
北側に植えられた桧は成長が遅く、年輪が細かく繊維がぎゅっと詰まっているので彫刻に最適です。
色も美しく良い御像になる予感…(^^)
持ち帰るため桧を大まかに切り出します。
が、ほとんど宗鏡寺ご住職にやってもらいました(^^)
日頃からご自身でも境内の改修をされているのでさすがの手際…私が出る幕なかったです(^^;
※上記の沢庵禅師像画像の無断転用はご遠慮ください。
用材の切り出しを終え、投淵軒(禅師が八年間住まわれていた庵)にお祀りされている沢庵禅師像の調査へ。
頂相の立体像として大変優れた御像で禅師の面影を写実的な表現で後世に伝え続けています。
この名作を参考に造仏に挑みます。
これまで各方面に影響を与え続けた不世出の名僧・沢庵禅師。
至高の頂相となるよう励んでまいります。
合掌
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