この度相模原市の日々神社様よりご依頼いただき、稲荷神の使いである神狐像をお造りさせていただきました。
向かって右の神狐像は稲荷神の御神徳の象徴でもある宝珠を、向かって左の神狐像は五穀豊穣を表す米倉の鍵を咥えます。
台座から御身まで全て木曽桧を使い、神々しい御姿に彫り現しました。
誇り高き神の使い。
鍵を持たれるとどこか得意げに見えます(^^)
宝珠を咥えて嬉しそう…。
どちらの神狐像も角度によって見え方が大きく変わるので不思議です(^^)
毛並みが渦を巻き宝珠となる尾は神狐の霊徳を表す独自の表現です。
構想段階でそういった御姿が突然思い浮かびました。
この神狐像のシンボルですね(^^)
瞳は金がいいと彫っている段階から考えていました。
実際に描き入れると意思を宿したような表情に。
印象的な瞬間でした。
こちらの神狐さんはこの角度からみるとキリっとしていてカッコいいんですよね(^^)
ここからは先日伏見稲荷大社で行われた正一位稲荷大神璽授與式の様子です。
ご依頼主である日々神社様がこの度伏見稲荷大社様から御分霊を頂かれました。
神狐像もお祓いを受け粛々と式は進んでいきます。
授與式には初めて立ち会わせていただきましたが大変貴重な経験となりました。
伏見稲荷大社は私が生まれ育ちいつも身近に感じていた神社でもあります。
そういった思い出の地にこういう形で訪れる、感慨深いものがあります。
この神狐像を制作するにあたって良い御像ができるようお参りにも伺いましたので稲荷神さまに良いご報告をすることができました(^^)
こうしてみると語りかけているような…。
不思議な魅力を持った神狐さんが現れたものだと、制作した本人が思っていたりしますが、刻んでいる最中は不思議と一切の迷いはなく、何かに突き動かされるように彫り上げたといいますか、神狐像と向かい合う時間が只々心地よく楽しかったという印象が強く残っています。
今は手元を離れ少し寂しくはありますが、信仰の聖地で新たにお役目を与えられ地域の人々に愛され続けるそんな神狐さんになってほしいと願います。
古来日本において神道と仏教は見事に融合し独自の世界観を築いてきました。
私が崇拝する鎌倉時代の仏師・快慶も神像を遺しています。
仏師が造る令和の神像、やがて歴史に残る御姿にこれからも挑み続けたいと思います。
末永くお祀りいただけましたら幸いです。
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